キリッとした目が私の瞳を捉えて離さない。そんな顔で見つめないで、ドキドキしちゃうから。
「ユキ君は、男だよ」
「そーゆう意味じゃねーって。今回の旅行は俺からのプレゼントって事で、黙って受け取ってよ。俺にとっても大事な日なんだ。次からは、ちゃんと割り勘条件のむ。ただし今後も泊りの金は俺持ち。これ以上は譲らない」
ここまで言うユキ君の好意を受け取った方がいいんだろうか。
でも・・・。
「金受け取ったら抱けねぇよ」
ストレートな言葉に、頬が熱くなるのを感じた。そんなもろ、ハッキリ言われたら恥ずかしくってなにも言い返せない。視線を泳がせ戸惑う私の肩にユキ君の手が乗る。
「俺の言ってる意味、分かるよな?」
「でも」
「次、泊まるとしたらラブホテルだぞ。その部屋代まで、割り勘にすんのか」
さっきまで弱気な顔してたのに、今度は強気に攻めてきた。どうやって反撃する?
「なにからなにまで、割り勘にしなくてもいいだろう?それともお前は、コンドームまで割り勘にしろって言うのかよ」
な、なにを言いだすんだ、こいつは。モロ言うな、恥ずかしいよ。
「そんなこと言って」
トンと肩を突かれ、押し倒された。唇が触れそうなほど顔を近づけて。
「全部割り勘にしなきゃ、気が済まないんだろう。それともゴムなしでやって、妊娠したい?」
に、妊娠ーっ。
「な、なに言ってんの。妊娠なんてしたら、困るのはそっちでしょう」
動揺しまくり、狼狽えまくり。
ユキ君は口角上げて、クッと笑う。
「なんで困んの?俺は出来ちゃった婚、全然OKだけど」