お正月、ウサギさんが私の実家に来た時のことを思い出す。
挨拶するだけだと思ったのに、「結婚させてください」なんて言うものだから。
うちの両親もビックリしていたけど、私もビックリで。
その後、ウサギさんの両親にも紹介してもらって。
婚約者って言われると、なんかドキドキする。
特別な関係って感じがたまりません。
なんか、鼻血出そう。
「寒い?」
「えっ」
「鼻の頭が赤くなってる。風が冷たいもんな。温かいもん食うか」
「あ……。そうですね」
「すぐ近くにラーメン屋があるけど」
「ラーメン、食べたい」
ウサギさんが私の肩を抱き、歩き出した。
「ウ、ウサギさん」
「くっついてる方が暖かいだろ」
落ち着け、ヒナ。別にこそこそする関係じゃないんだから。