恋の時間ですよ 第12章 不安な気持ち

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手をつき、勢いつけてベッドから降り、ユキ君に背を向け、パンツを引き上げる。
それからTシャツを脱ぎ、ニットのワンピースに素早く着替え、振り向いた。

「こんな状況で連れてきて、私の印象クソ悪いじゃないの」

「強硬手段だよ。誰かさん、何度誘ってもまた今度って逃げるから」

痛いところをつかれ、怯んでしまった。

うち来る? うち寄って行く? と軽いノリで誘われる度に苦笑いして、また今度ねって言ったのは確かだけど。
だってお父さん、私の勤めている会社の社長だよ。しかも怖いって噂耳にしたら怖気づくって。

「だ、だけど、酔っぱらって寝ているところを連れ込むのは卑怯だよ」

「連れ込むって大袈裟だな。介抱してやったんだろ」

「どこが介抱だよ、マジで信じられないっ」

介抱なら、ホテルへ連れて行けっつーの。
頭きた、マジで頭きた。
怒り心頭、マグマ噴火寸前。

「俺は、ちゃんと言ったぞ。飲み過ぎて寝ても知らないって。家に入る時も、お前に声掛けたし」

「知るかっ」

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