ウサギとヒナ 第六話 狙われた恋人

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「もし……誰かに聞かれたら、なんて答えたらいいんですか」
「おじさん、でいいよ」
「姪と叔父さん」
「いや、ただのおじさん。それ以上は説明しないこと」

 分かった? と言われても、私は頷かず黙っていた。するとウサギさんは困ったように笑って。

「いいね」

 念押すと、私の顎を指で持ち上げ、唇に軽くキスを落とす。
 不意打ちのキス、しかもここは会社、扉の向こうでは仕事している社員がいる。
 仕事中なのに。これって、いけないことだよね。
 ほてる頬を掌で仰ぎつつ、恨めしい目でウサギさんを見た。

「ほんと、もう。……信じられない」
「そう? 俺は楽しいよ。ほら、仕事してこい。さぼってると思われるぞ」

 ポンっと軽くお尻を叩かれた。

「うーっ、分かってますよ。おじさんっ」

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