ウサギとヒナ 第五話 邪魔者

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「もうお前の女に手は出さないって。でもまあ、一回くらいなら相手するよ?」

 正人さんは顎に指を添え、にやりと笑った。

「いえ、結構です」

 ん? もう? もうって、どういう意味?
 ドンッ、ウサギさんが正人さんの胸板を掌で突いた。

「帰れ」
「冗談だよ、冗談」
「冗談じゃなくて、帰れ。邪魔、ほんと邪魔、本気で邪魔、絶対邪魔」
「ヒナちゃん、俺ら邪魔じゃないよね? 一緒に裕也の誕生日パーティーしたいよね?」
「せっかく色々作ってきたのに無駄になるじゃない。ローストビーフやキャロットケーキだって焼いたんだから。いいじゃない、せっかくだし、みんなで楽しくやりましょうよ」
「ヒナ、断れ、嫌って言え」

 三人の視線が私に集中。
 私に決めろと?

「あの……えっと」

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