ウサギとヒナ 第四話 ウサギの罠

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 月曜の朝まで、数えきれないほどキスをした。エッチなことも……キャーッ。
 食事もお風呂も、とにかくずっと一緒。

 楽しい時間はアッと言う間に過ぎてしまう。ホテルを出たら、週末まで会えない。
 そう思うと寂しくて、恋しくて、別れがたい。
 だから「早く、週末にならないかな」なんて、自分からウサギさんの手を握って、言ってしまった。

「今度の週末は、ごめん。海外出張で、来週の水曜日に戻ってくるんだ」
「そうなんですか」
 
 なんだ、がっかり。会えないのか。

「そんなに俺と一緒にいたかった?」

 顔を覗き込まれ、胸がキュンと締め付けられる。
 寂しいけど、仕方ない。我がまま言っても、困らせるだけ。

「はい。でも仕事だから、我慢します」
「我慢ね。俺は、来週末まで我慢出来そうにないな。……そうだ、来週東京へこないか。有給使って」
「東京に?」
「俺の誕生日。祝ってもらえると嬉しいな」

 そうだ、ウサギさんの誕生日だ。
 一緒にお祝いしたいな。

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