ウサギとヒナ 第三話 ウサギのしっぽ

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 セール当日、河合ヒナを見た瞬間、落胆した。違う、俺の知っているヒナじゃない。若過ぎる。
 それなのに、俺は河合ヒナが気になって仕方なかった。視線で追いかけてしまうほどに。
 俺は小さく首を横に振った。これはもう思い切って声を掛けるしかないな。

「ヒナちゃん、こっち来てくれる?」

 俺は、会話しながら相手の反応を探った。
 ノリは悪くない。
 河合ヒナと話していると錯覚を起こしそうになる。
 まるでSNSであの子とメッセージを交わしているみたいに楽しい。

 もっとゆっくり話をしたいが、これからセールが始まろうとしている。
 閉店まで客の対応、売り場の補充に追われることになるだろう。
 それならと、さりげなく飯に誘うことにした。ヒナの快い返事に口角が上がる。
 うちのメンバーに知られると面倒だな。一緒に行くって、言い出しかねない。
 邪魔されたくないし、口留めしておくか。

「みんなには、内緒な」

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