ウサギとヒナ 第六話 狙われた恋人

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「朱里……。なにけしかけてんだ」
「最近、BLにはまってて。裕也と正人なら絵になるなぁ、なんて」
「俺にそんな趣味はない。正人だってそうだ。見ろ、この鳥肌」

 ウサギさんは自分の腕を差し出した。

「うわっ、すごい」
「俺、裕也が好きだったのか」
「洗脳されてんじゃねぇーよ。お前は生粋の女好きだ」
「俺は目覚めた」

 正人さんが勢いよく立ちあがった。そして私の前に立ち、両手で手を握ると。

「ヒナちゃん、俺たち、ライバルだ。これからは遠慮なく裕也を落としにかかるよ」

 まさかのライバル宣言? に私もウサギさんも呆然。
 そして、我に返ったウサギさんは。

「お前ら、もう帰れーっ」

 真っ赤になって叫んだあと、正人さんと朱里さんを追い出した。

「ったく、あほか、あいつらは」

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