ウサギとヒナ 第六話 狙われた恋人

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 パシッ。
 突然、小気味いい音が鳴って、ハッとした。

「あだぁ」

 正人さんが後頭部を押さえた。
 その後ろでウサギさんがスリッパを手に、怖い顔で立っている。

「勝手なことぬかすな。お前はヒナの親か。なーにが認めないだ。叩くぞ、こら」
「もう、叩いているじゃないか」
「そうか、だったら蹴り入れるか」

 そう言いながらウサギさんが膝を高く上げると、正人さんは逃げるようにリビングへ戻っていった。
 ソファの隅っこでクッション抱きしめて、拗ねているようにも見える。

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