ウサギとヒナ 第六話 狙われた恋人

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「言いたいこと言ってくれるね、内藤ちゃん」

 ウサギさんが指の関節をボキボキ鳴らしながら、内藤さんに詰め寄っていく。壁際まで追い込まれた内藤さんの頬がひくひくしている。
 ドンッ。
 か、壁ドン。ひゃーっ、ウサギさんが内藤さんに壁ドンしたーっ。自分がされた訳じゃないのに、なんかドキドキしちゃった。

「身内と二人で飯食うことがそんなに悪いことなのか」
「えっ、み、身内?」

 内藤さんが顔を上げた。目をパチクリさせている。

「……し、親戚なんですか」
「加藤部長に聞いてみろよ」
「いや、それはさすがに」

 すみません、すみませんと、内藤さんは二度、頭を下げ。

「ヒナちゃんも、それならそうと言ってくれたらいいのに。じゃあ、仕事戻っていいよ。呼び出して、悪かったね」

 苦笑いしながら会議室を出ていった。

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