ウサギとヒナ 第六話 狙われた恋人

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 報告? なんだろ、伝え忘れていることがあったかな。
 こめかみに左手の人差し指を置き、考えてみる。
 だめだ、分からない。ここは正直に言おう。とんちんかんな返答するよりいい。

「すみません。分かりません」

 奈津江さんが握っているシャーペンをカチカチ鳴らしている。

「すっとぼけないでよ。もうバレてるんだからね」

 脅しともとれる口調、思わず唾を飲みこんだ。親切で良い人ばかりだと思ったのは勘違いだったのかな。

「それで、ウサギさんとは、どんな関係なの」
「付き合ってるんでしょう」

 ん? 私は顔を上げた。そして両先輩の顔をゆっくりと交互に見る。
 仕事の話じゃなくてウサギさんのこと?

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