ウサギとヒナ 第六話 狙われた恋人

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 お正月、ウサギさんが私の実家に来た時のことを思い出す。
 挨拶するだけだと思ったのに、「結婚させてください」なんて言うものだから。
 うちの両親もビックリしていたけど、私もビックリで。
 その後、ウサギさんの両親にも紹介してもらって。

 婚約者って言われると、なんかドキドキする。
 特別な関係って感じがたまりません。
 なんか、鼻血出そう。

「寒い?」
「えっ」
「鼻の頭が赤くなってる。風が冷たいもんな。温かいもん食うか」
「あ……。そうですね」
「すぐ近くにラーメン屋があるけど」
「ラーメン、食べたい」

 ウサギさんが私の肩を抱き、歩き出した。

「ウ、ウサギさん」
「くっついてる方が暖かいだろ」

 落ち着け、ヒナ。別にこそこそする関係じゃないんだから。

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