恋の時間ですよ 第13章 約束 

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朝食を終え、片付けのお手伝い。店で慣れているので、洗い物は得意。

「パン、すごく美味しかったです。ふわふわで、中でもかぼちゃの種が入ったの」

美味し過ぎて、遠慮を忘れてしまい、ガッツリ食べてしまって、もう胃袋はパンパンだ。

「本当? 嬉しいわ。うちは男しかいないでしょう。感想なんてくれないのよ。聞いても、どのパンも同じじゃないの、なんて言うし。本当、作り甲斐がないのよね」

お母さんはお皿を拭きながら、口を尖らせ、つまんないって表情をして見せる。

「ケーキも作るられるんですか? すごいですね。私なんて、お店でお好みを焼くくらいで、パンもケーキも作ったことないし」

お母さんの瞳がキラリと光った。

「じゃあ、今度、作ってみない? 私、教えるのも好きなの」

「いいんですか? 是非、お願いします」

「終わった?」

ユキ君が声を掛けてきた。

「あら、出掛けるの?」

「うん」

ユキ君は、冷蔵庫を開け、オレンジジュースをコップに注ぎ、ゴクッゴクッと喉を鳴らして飲んでいる。
飲み終わるとお母さんにコップを手渡し。

「晩御、飯いらないから」

その手を私の肩へ回す。親の前で、それはちょっと。焦った私はユキ君から離れようとした。けど、彼はそれを許さなくて。
ユキ君に肩を抱かれたまま、リビングへ。

「なんだ、もう帰るのか」

「はい、ありがとうございました。お邪魔しました」

「舞、また来いよ」

はうっ、再び呼び捨て。胸がドッキューン!心臓打ち抜かれた。
ドキドキしていると、キュッとお尻をつねられ、ハッとした。恐る恐るユキ君を見上げると、めっちゃ怖い顔していて。

「お前……覚えてろ」

耳元で囁く脅しの言葉、ゴクッと唾を飲む。
ううっ、ごめんなさい。でも、お父さん、カッコ良過ぎるだもん。

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