恋の時間ですよ 第13章 約束 

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「じゃあ、これ」と簡単に言うユキ君の手を掴む。

「もうちょっとシンプルなものがいいかも。ダイヤとかいらないし」

「そうだな、俺も着けるし」

「それと、あの……。値段、もう少し下げて?」

私の言葉でなにやら察知したらしく。

「は? お前、まさか、指輪まで割り勘とか言い出すんじゃねぇだろな」

ちょっぴりお怒りモードの口調。でも、ここで怯むわけにはいかない。

「だって、二人の物だよね?」

当然でしょうと言うと「はぁ」と大きなため息が漏れる。

「あの、お客様? どうされますか」

私たちの顔を交互に見る店員さんは、少し困った様子。
ユキ君が小さくため息をつく。

「ごめん、ちょっと出直してきていい?」

そう言って、ユキ君は、私の腕を掴み、店の外へ連れ出した。

「舞、ここにいて」

お散歩ついでに立ち寄ったスーパーの前で、ご主人が、ワンコに待ってろと命令しているような感じで地面を指差す。

「えっ」

彼の言動に目を丸くさせていると。

「俺一人で買ってくるから」

「な、なんで」

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