恋の時間ですよ 第12章 不安な気持ち

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ユキ君の胸元に顔くっつけてスリスリしていると、私の頭の近くから電話の音がした。ユキ君のスマホ? 休日なのに朝早くから誰だろう。

「ああ、起きたよ。朝飯? 食べると思うけど聞いてみる」

ホテルのスタッフ? きょとんとしていると。

「朝飯食える?」

「うん」

朝食付きのラブホテルなんてあるのか、知らなかった。
ゆっくり起き上がり、身にまとっているものを見て、ん? と首を傾げた。
Tシャツだ。かなり大きくて丈が膝上あたりまである。しかもこれ、どこかで見た記憶が……。
どこだっけ? シャツの裾を引っ張り、ユキ君に何気なく問う。

「このシャツって、ホテルの?」

「俺のだよ」

「ふーん」

私の服はきちんと折りたたまれて机の上に置いてある。それを手にしてから、私は辺りをぐるりと見回した。
ホテルっぽくない。
ベッド脇に腰を下ろすユキ君はご機嫌な様子、にこにこしている。

「ここ、どこ?」 

「どこだと思う?」

クイズ?

「ホテル……じゃないよね?」

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