恋の時間ですよ 第11章 嫉妬

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ユキ君が異動してから一ヶ月が過ぎた。
先週、家族で店へ来てくれた真理さんの話によると、とにかく彼は多忙らしい。
昼間は営業、現場の進捗確認や誘導、配合試験の立合い、そして夜は取引先との飲み会、不幸事があれば休日関係なく式に参列する。

たまに電話掛かってきたと思ったら夜の十二時で、会話中に無言になって、おかしいなと思ったら、スースー寝息が聞こえくる事も。
『昨夜は、寝てしまってゴメン』なんて朝からLINEトークが届くので、私との関係が嫌になったとかではなく、慣れない環境と仕事に追われ、疲れているんだと思っている。

寂しくないと言えば嘘になる。
でも頑張っている彼を応援しなきゃ。寂しいなんて言ったら困らせてしまう。

それに、今日は久々にバスケの練習に行くと言っていた。帰りにみんなで寄ってくれるとも言っていた。それから夜はデートしようって。
むふっ、ユキ君の体触りまくって充電しなきゃ。
カレンダーを眺めながら指折り数えていると、カラッとガラス引き戸の開く音がする。
振り返ると。

「お兄ちゃん」

「よぉ」

嫁の文香ちゃんと息子の陸まで連れてきて。

「どうしたの、みんなで。お母ちゃんならいないよ」

「だから来たんだよ」

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