恋の時間ですよ 第10章 クリスマス

小説
Pocket

もやもやする。

店裏の駐車場へ向かう間、ユキ君の横顔を何度もチラ見。
やっぱりこのまま帰るなんて、無理。
足を止め、繋いでいた手を解き。

「どうした、忘れ物でもしたのか」と言うユキ君をじとっと見つめた。

「言って欲しかった」

口を尖らせている私を見て、キョトンとしているユキ君に、ちょっとだけ腹が立った。

「ユキ君からすれば、大したことないかもしれないけど。私は、部長から聞かされてビックリしたんだから」

不満を吐き出した。腹立たしいのか悲しいのか涙がじんわり、鼻の奥もツンと痛い。

「黙っているなんて酷い」

抑えれなくなった感情に声も大きくなる。さすがにマズイと思ったのか。
焦った様子でユキ君は、ごめんと何度も謝って手を合わせる。

「ごめん。悪かった。話すつもりではいたんだ。本当だって」

「もういい、知らない」

プイッとそっぽを向いて見せると。

「ま、舞ちゃん、ごめんて」

ユキ君は私の周りをグルグル。のぞき込んで顔を見ようとする。

「どうせ、大したことないんでしょう」

横目で彼を見て、拗ねた口調で言い、またそっぽを向いた。

「ちがっ、あれはその・・・・」

「言い訳無用」

「舞ちゃん、聞いてくれ。会社で会えない分、仕事帰りに会いに行けばいいって思ってたんだって。仕事は営業だし、自由が利くからこれからも昼飯は時々・・・舞ちゃん、ごめんて。毎朝、電話する。寝る前も、機嫌直して、な」

必死になっている彼を見たら。

「どうしようかなぁ」

顔がゆるんでしまう。
もう、可愛いんだから。

小説更新、諸々のお知らせはtwitterで

PVアクセスランキング にほんブログ村

16 件のコメント

  • こんにちはー、愛だろからずっと結城さんの作品は読んでます。
    いつの間にか一久たちに三人息子が生まれてることにビックリ(笑)
    このユキ君のお話、毎日更新チェックしてるぐらい楽しみにしています。ユキくん、なんだか、一久のように一途に舞ちゃんを大事にしてくれることを願ってます(⌒‐⌒)(⌒‐⌒)

    • miyuさん
      さっそく(人”▽`)ありがとう☆
      はい、生まれてます。真理、薫、由紀。彼らのファーストキスを奪ったのは、もちろん・・・。
      そのうち、真理や薫の物語も投稿したいなぁ。( ̄▽ ̄)

  • こんにちは。いつも楽しく拝見させていただいています。 元々大人のケータイサイトで知って、こちらまで訪問するようになりました。
    更新を楽しみについつい毎日覗いてしまいます。
    お体に気をつけてください。
    応援しています。

  • 私も愛だろから始まり大人サイトの作品は全て読んでます!
    全てに繋がりがあって楽しみです(^^)

    ユキくんと舞ちゃん
    2人のこれからも楽しみにしてます(〃▽〃)

  • おじゃましまーす。
    コメント欄うれしいです(^。^)

    ユキ君と舞ちゃんのこれからも楽しみだけど、2人の話から一久君と奈美ちゃんを感じる事ができてキュンとします。

    2人はどんなクリスマスを過ごすのか?
    異動でどうなってしまうのか?
    これからも益々楽しみです♡

    ファンの期待がプレッシャーにならないように楽しんで執筆して下さいね。

  • mik.さん
    海さん
    KAYONさん
    まとめてお返事ごめんなさい。
    コメント(人”▽`)ありがとう☆
    朝晩寒いし、インフルも出始めているみたいなので、気をつけてくださいね。

  • こんにちは。
    愛だろから始まり、大人のケータイやベリーズカフェで真理さんの作品読ませていただいてます。
    こちらでもいろいろなお話が読めるのを楽しみにしています!

  • コメント欄ありがとうございます。
    「愛だろ」読ませていただいたときに一久の第2子は女の子だろうなと思っていたので驚きました。
    更新楽しみにしています。

  • ちっく。さん
    ゆみなさん
    まとめてお返事ごめんなさい。
    いつも(人”▽`)ありがとう☆

    ゆみなさん
    女の子がいいって声も結構ありましたが、全員男の子なんですね。真理と千佐子の子供も男の子。穂高の物語なんかも書ける日がくるといいなぁ。

    ちっく。さん
    ベリカ時代から、ということはもう何年のお付き合いになるんでしょうか。変わらず応援してくれていること、本当に感謝です。
    久々にベリカを見に行ったら、ビックリ。リニューアルされていて、作家メニューに入れない状態になっていました。どうにかいちごから入れたんですけど、訳わかんないことになっています。(>_<) これからもずーっと、皆さんと楽しく、長ーいお付き合いが出来るよう、頑張ります。( ̄▽ ̄)

  • こんばんは。
    「危険な香りに誘われて」からのファンです( 〃▽〃)
    コメント欄も凄く嬉しいです♪ありがとうございます(*´∇`*)
    舞ちゃんとユキ君のこれからを楽しみにしてます。

  • やっと書けた!
    林さんと土方部長気になってたの
    こちらの展開も楽しみ
    さて、ラブラブ舞ちゃんとユキくんはどうなるのかしら。
    筋肉フェチは絶対真理さんだよねぇ♪
    誰の筋肉さわってるのかしら
    気になるぅ

  • ぴよこさん
    miiさん
    (人”▽`)ありがとう☆

    舞ちゃんとユキ君、ちょっと雲行き怪しい感じですが、まぁあの二人なら大丈夫かな?
    おお、林さんと土方部長ですか。この二人、いったいどんな関係なんでしょうね。この物語の中で納まるかどうか心配です。( ̄▽ ̄)

  • 皆さんのコメント読むのも楽しいですね。
    私は次男の薫君の話も気になってます
    「結城ワールド」どんどん広がるといいなぁ〜(*´∇`*)

    • kayonさん
      いつもありがとうございます。( ̄▽ ̄)
      ノロノロ更新に私も、もやっとしております。続き、早く書きたいっ!!

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。

    ABOUT US

    結城 真理
    職業 アパレル会社経理事務員 趣味 小説を書く、飲酒、旅行、タクフェスの舞台を観る……etc 主な生息地 エブリスタ(愛だろ)ブログ小説(恋の時間ですよ)、自主出版サイトbccksで(私の彼はSE 販売中)(波多野さん家の 無料連載中)、いるかネットブックス(明日から頑張ります、男の純ケツ)発売中 小説関係のお知らせはTwitterにて