恋の時間ですよ 第8章 異動

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俺には兄貴が二人いる。隣にいるのが一番上の真理。歳が八つと離れているせいか、やたら可愛がってくれるのはいいんだけど、かなりガキ扱いされている感じなんだよな。身長だって、若干、俺の方が高いのに。いつまでも小さな弟じゃねぇっての。

「鳥羽まで行ったらどうだ?あそこの水族館、しばらく行ってないだろ?」

「一人で、あんなところまで行っても仕方ないからな」

「昔は皆でよく行ったよな。親父らがよく使う、相差のホテル旅館。リニューアルして、綺麗になったらしいし。泊まるならあそこ、いいんじゃないか。俺も一月か二月に家族連れて行くつもりなんだけど」

ホテルの前は、確か海だったな。沈む夕陽を眺めながらの散歩も悪くないけど。

「何で、真理が俺のデートコース決めんだよ」

「提案してるだけだって」

「鳥羽か」

「千佐は、喜んでくれたよ。でっかい伊勢海老見て、興奮してたの思い出すな」

水族館で伊勢海老を見れば、でっかい目をキラキラさせて「食べてみたい」って言うだろうな。
んで、ホテルの晩飯に出てきたら「ユキ君、大好き」とか言って抱き着いてくれるかも。うはっ、そんなことされたら、押し倒してしまいそう。くーっ、夜まで我慢出来るかな。

「うん、いいかも」

「じゃあ、ついでだから予約しといてやるよ」

「頼むわ」

舞、喜んでくれるかな。

 

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