「そんなことしたら、お母ちゃんが悲しむよ。毎週楽しみにしているんだから」
ユキ君はそっぽを向いて知らん顔。困ったな、完璧に拗ねている。どうやって機嫌直してもらおうか。
「ホント、ムカつく。俺ばっか、お前を好きで嫌になる」
ぼそっと彼の口から漏れた。俺ばっかだって。ちょっとキュンてきちゃった。やだ、顔がにやついちゃう。
「そんなことないよ。私もユキ君が好きだよ」
怒っていた彼の頬が緩む。前髪をいじって照れくさそうにしている仕草とか、ホントたまらないほど可愛い。
「本当に俺のこと好き?」
もちろん、うんと頷いた。
「俺の彼女だって自覚してる?」
もう一度頷いてみせる。
「だったら、証明してよ」
「えっ」
目を丸くしてユキ君を見つめる。私がユキ君を好きだってことを証明?
「いい加減、やらせてくれない?」
ドキッ。それってユキ君と・・・・裸のお付き合いってことだよね。
「ううっ、それは、そのタイミングというものがあってですね」
爪弄りしながらしどろもどろで言い訳。
二人とも実家暮らし。週末は店がある。ユキ君も仕事で飲みに行ったり、バスケの練習したり、仕事でゴルフへ行ったりとなかなか忙しい。だから二人だけの時間が取れないんだよね。別にもったいぶっている訳でも、未体験ゾーンへ足を踏み入れることに戸惑っている訳でもない。もちろんハードルは高いけど。私だって裸のお付き合いに興味あるし。ユキ君のオールヌード、見たい、好きなだけ触ってすりすりしたい。ああ、想像しただけで萌える。
私はユキ君の手を握った。
「今度のデートで、必ず」