恋時間ですよ 第5章 Help

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タクシーで向かったのは日本酒と和風創作料理の店。店の棚には、日本酒の一升瓶がずらりとならんでいる。

「尾上さん、日本酒は?」

「あんまり飲んだ事ないんですよね」

「そっか。じゃあ、ちょっとお試しで、飲んでみたら?」

野中課長に勧められ、オーナーに飲みやすい冷酒をチョイスしてもらった。

「あ・・・・美味しい」

口の中で広がる香り、スッキリとした辛口も口当たりが良い。

「なんだ、いける口じゃない。よし、じゃあ、今夜は色々飲んで、お気に入りを見つけるといいよ」

二人共、会社にいる時と雰囲気が違って、話も楽しかった。すっかり気を良くした私は、日本酒をかなり飲んでご機嫌。

「尾上ちゃん、フリーなの?もったいない。可愛いのに。ね、土方さん」

「ああ、そうだな」

「お世辞でも嬉しいでーす」

「ははは、お世辞じゃないよ、尾上ちゃん。俺が独身だったら口説いているよ」

「またまた、奥さんに怒られますよ」

はしゃいでいる横で、部長が腕時計に視線を送る。

「そろそろ、お開きにするか」

「まだ早いですよ。もう一軒行きませんか」

「用があるんだよ」

部長が帰ると言い出し、渋々課長がおあいそを頼む。

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