恋時間ですよ 第5章 Help

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呼びだし音が流れている。寝ているのかな?もう切ろうか、でも頼まれちゃったし、あれこれ考えていると。

『はい』

怠そうな声が聞こえた。

「もしかして、寝てた?起こしちゃってごめん」

『いいよ、それより何かあったのか』

「えっと・・・・熱出したって聞いたから。大丈夫?」

『ああ、もう下がった。何?もしかして心配して電話をくれたとか?まだ怒ってんのかと思ってたけど』

もしかして、鼻で笑った?

「お、怒っているよ」

「かんでんぞ」

からかう声も明るい感じがした。

「う、煩いな。私は真理さんに伝言を頼まれたから」

『真理に?何で真理がお前に』

あれ、声色が変わった?なんか不機嫌になってる?

「俺からの見舞いだ、感謝しろ、って。意味分かる?」

『・・・』

無言は、やめて欲しい。電話なんだから様子が分からない。

「ユキ君?聞いてる?」

『ああ』

「じゃあ伝えたから、もう切るね」

『ああ、ありがとう』

真理さんが何を伝えたかったのか。
結局よく分からないまま、電話を切った。

でも・・・。

どうしたんだろう。

触れていないのに。
声を聞いただけなのに、胸がドキドキしてるよ。

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