恋の時間ですよ 第4章 最低!

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ユキ君は昼休みの食堂にも現れなかった。ま、こんな日もあるよね。彼だって仕事で忙しいだろうし。いやいや、違うでしょう。現れなくて良かったと喜びなさいよ。もしかしたら明日はまた目の前に現れて、私を振り回すかもしれないんだし。

でもユキ君はその次の日も、その次の日も現れなかった。
もう今日は金曜日。

「今日も現れないみたいよ」

「ふられたのかしら?」

「ユキ君、気まぐれだから」

小ばかにしてせせら笑う声が背中から聞こえる。嫌な感じ。

「大丈夫?」

「気にすることないよ。無視、無視」

気持ちが顔に出ていたのか、気遣う言葉を林さん達から掛けられてしまった。

「別に。気にしていませんから」

「でも、ほんとユキ君、どうしちゃったのかな。見かけないよね」

うどんがつるりと箸から滑り落ち、グレーのブラウスにカレーうどんの汁が跳ね。

「あっ」

「早く洗った方がいいわよ」

トイレへ駆け込んだ。

ううっ、ついてない。今日は歓迎会だからと、買ったばかりのブラウスを着てきたのに。

「落ちるかな」

汚れを移そうとティッシュを濡らし、ハンカチとで生地を挟むようにつまむ。幾分落ちた気はする。ジャケットを羽織れば分からないよね。でも、気分はブルー。

歓迎会が終わったら迎えに来ると言っていた。本当に来るつもりなのか聞いてみる?ふと思い立ちスマホを手にする。LINEのアプリをタップ、ユキ君の名前を見て指が止まった。

「彼氏でもないのに・・・・・。二次会だって行こうがどうしようが私の勝手じゃない」

そうだよ、ユキ君なんて関係ない。

 

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