恋の時間ですよ 第4章 最低!

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数日前まで存在すら知らなかった、知り合って何日も経っていない。それなのにすっかり振り回されている。

明日も早朝から来るつもりだろうか。冗談じゃない。その夜、私はスマホの電源を切って寝ることにした。ベッドへ転がり、もうこれで、朝早くから起こされることはないはずだ、私は不敵な笑みを浮かべ枕を抱きしめる。

「でも・・・・」

電話が繋がらないと分かって、ユキ君はどうするだろう。家は知られている、いきなり押しかけて来たりするかな。まさか、それはないよね。いや、でも相手はユキ君だよ。こっちの都合なんて全く考えてなさそう。電源の入っていないスマホをじっと見つめた。

迷ったあげくスマホの電源を入れて、何やってんのよ、私は。

「もう寝るっ」

ごろりとベッドへ転がった。慣れない仕事で疲れているはずなのに、ユキ君の顔がぼんやり暗闇に浮かんで、寝つけない。

「あーっ、もう消えてって。寝る時まで現れなくていいから」

布団を頭まで被り、閉じた瞼に力を入れる。睡眠の邪魔までするなんて、信じられない。寝不足になっちゃう。

寝たのか、寝てないのかよく分からないまま朝が来てしまった。スマホは鳴っていない。電源、入れたよね?スマホを手に取り、画面を確かめた。鳴っていないことに、ほっとする。そう毎日、朝から呼び出すなんてさすがにしないよね。

でも、なんだろう。良かったと思うのに、肩透かしを食らったみたいなこの感じ・・・・。

 

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