「ところで、もう決まったのか」
「何が」
早っ、もう食べ終わってる。綺麗になったカレー皿を見て驚いた。
「お前の歓迎会」
「うん。金曜日、いなかってお店で7時から」
「いなか、ね」
ユキ君はゴクゴク水を飲み干し、ポケットからハンカチを取り出した。ピシッとしたハンカチを見て、お母さんがアイロン掛けしたのかなと、ふと思う。
「迎えに行くから」
「は?」
意味不明な発言に私は目をパチクリ。
「9時には終わるだろ。二次会なんて行かずに店の前で待ってろよ」
「えっ、ちょっ」
席を立つユキ君を引き止めようとした。
「これから会議なんだ」
「あのね、お迎えなんて」
断ろうとしたら。
「任せといて、ユキ君。私たちが二次会行かないように見張っているから」
胸を軽く叩いて言う林さんにユキ君は「お願いします」とにっこり笑って返す。
「じゃあな、舞」
えっ、えっ、ええーっ。じゃあな、じゃないって。私の歓迎会なのに、勝手に決めないで。
つーか、あんた私の何?