恋の時間ですよ 第1章 就職しました

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ゆっくりと閉まっていく扉の向こうには、男性の姿がまだ見えている。私は軽く会釈した。もしここの社員になったら、この人や真理さんと顔を合わせる事があるかもしれない。それってちょっと、いや、結構楽しいかも。なんて考えていたら扉が開いた。そして何故かおりたはずの男性が、エレベーターへ乗り込んできたではないか。密室にイケメンと二人。緊張しちゃうな。

「なぁ」

ひょっとして私に話しかけてる?私は無言のままイケメンを見つめた。

「あのよ・・・今日はもう帰った方が良くないか。なんなら家まで送ってやるけど」

まさかナンパ?

「遠慮しておきます。これから私、面接だから」

「だったら花柄見られないよう、面接するやつには背中を向けない方が良い」

花柄?背中?意味不明な事ばかり言われ、首を傾げる。

「破れてんだよ、スカートが」

なぬ?マジで?

確かめようと、スカートを回転させた。

スリット部分が裂けているではないか。さっき尻もちをついたせい?

ぎゃぁああああ。

 

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